PR会社の選び方、使い方 -その3(使う)

PR会社の選び方、使い方 -その3(使う)
 
 

企業の広報担当者(インハウス広報)としてPR会社を選定したら、そこからがパートナーシップのスタートです。ここでは、前回まとめたRFPに則って数社から提案を受け、希望の1社と最終的に合意したところからどう進むかを紹介します。

PR会社選びの順序

今回は下記3ステップの第3回です。

PR会社について知る
PR会社を選ぶ
・PR会社を使う -【今回】

PR会社を使うポイント

選んだPR会社との契約は、提案内容が通り、チームとスケジュールが決まり、予算、 業務範囲(SOW) 、達成すべき成功指標(KPI 、重要業績評価指標)を合意し、面倒な手続きが完了すれば、晴れて完了です。会社によりこれらの順序は前後します。 グローバル企業の場合は組織が大きいため、一連のプロセスに1カ月はかかります。

PR会社の活動開始まで

担当チームメンバーとスケジュール概要が決定
予算(バジェット)、業務範囲(SOW)、成功指標(KPI)が決定
契約完了

PR会社を選び、使う一連の流れで、注意したいのは、第三者としてのちょうどいい位置づけと、PR会社の担当者です。

インハウス広報にとって、社内とマスコミの調整に忙しい中、時にPR会社とのやりとりが煩わしくなり感情的になってしまうことがあります。また、「毎月のノルマが明確でコスト意識の高いPR会社」と、「時間給を意識することが少ないインハウス広報」では、時間とお金の使い方にギャップが生じることがあります。

こうした日常業務ストレスを抱えていると、PR会社を“業者”扱いし“24時間働け”“命令は絶対”などと発言して、法的リスクを追うことになりかねません。こうした悲しいミスマッチがないよう、私は、一緒に食事をしたりミーティングを重ねたりして、互いの人となりを知ることをおすすめしています。

もしインハウス広報として、PR会社に我慢できなくなったら、エスカレーションが有効です。議論を上位レベルに移管してトラブルリスクを回避し、客観的、建設的な議論に移すのが得策だからです。でなければ、人間関係の悪化はコミュニケーションの質低下につながり、直接、間接的に企業ブランドを棄損していく恐れがあります。

PR会社を使うリスク回避のポイント

人間関係 インハウス広報もPR会社も同じ企業ブランドを愛する志を共有しているか
組織 人間関係が悪化したときに議論を上位に移管(エスカレーション)できるか
法、倫理 ハラスメント、コンプライアンス、法(働き方改革法案、下請法)、倫理などの問題はないか

PR会社も当然のごとく人間の集まりです。インハウス広報が自社ブランドを大切にし、心から伝えようとすると、PR会社の担当者も懸命に最大限に支援しようします。インハウス広報がPR会社と同じ志を共有することで、まさに社内のチームビルディング同様に組織を超えた仲間となり、社外で社会との共鳴を担うパートナーとなります。

最後に、PRパーソンは、企業内のインハウス同様にPR会社でも、たいてい早晩転職します。そして、よい人間関係は、組織を超えて広がってつながります。受発注いずれの立場でも、相手への尊敬を忘れずにつきあうことが、PRの成功にも、企業ブランド強化にも、個人のキャリア形成にもつながるのです。

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