ワールドマーケティングサミット編集後記

ワールドマーケティングサミット編集後記
 
 

ワールドマーケティングサミット東京2019の取材13本目の記事は、編集後記。ふだんはPR会社、つまりイベントの裏方が、記者席へに座るのはプレッシャーを伴います。伝える重圧を感じつつ、読んでくださる方の声を励みに、書き尽くしました。

ぶら下がりの笑顔

感慨深いのは、取材の前後の空き時間。いわゆるぶら下がりという、挨拶と質問のチャンスです。

わたしはまず、サディア・キブリア氏のソーシャルプレナーシップ論の詳細を知りたくて突進。そんな個別フォローもいとわず、気さくに答えてくれました。

フィリップ・コトラー氏も、そんなわたしを見て「ああ、プレスの方。なんでしょう?」とお気遣い。デービッド・アーカー氏と富裕層の税制措置について熱く語っていたにも関わらず、一緒に記念写真も撮ってくれるほどサービス精神でした。

記者と広報の緊張感

通常、広報において、取材者とスピーカーの間に緊張感があります。なぜなら、取材者は客観的第三者として読者のために話を聞き、調査、考察して記事を書く。つまり、スピーカーとある意味、対峙した関係にあるからです。

ですから、記事の中で取材者とスピーカーがにこやかに並んでいる写真を見ると、わたし自身「記事広告かな」と目を凝らします。それくらい、取材と対談は違うのです。

だからこそ、せっかくコトラー先生を始めとする登壇者との写真を撮れたとしても、それを表に出すのは、広報のプロとしてはご法度。いったん、「墓場まで持っていこうか」と思いました。

サイロは壊せ

そこではたと、「いや、違う」と思いました。市民ジャーナリズム、広報PR、マーケティングの垣根を超える火花が散りました。

広報、広告、マーケティングのサイロにとらわれている場合じゃない」「マーケティングでイノベーションを起こしたいなら、自分も伝道し、実践しよう」そう思い直して、思い切ってSNSに写真を投稿。

すると直後に会った知人に「コトラー先生との写真、インパクト強烈でしたよ!」と笑ってもらえました。

慣習がなぜあるかを考え、意味あるときには従う、挑戦するときには捨てる。

そのちょっとした勇気が、イノベーションを可能にするのだと思います。

「マーケティングで世界を良くしたい。」
その思いを、ひとりひとりが実践できるよう、取材を通して促進役になりたいと思いました。

皆さまご取材協力、そしてご笑読、大変ありがとうございました。

ワールドマーケティングサミット登壇者、次世代マーケティングプラットフォーム研究会メンバーと記念撮影

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    <午前プログラムレビュー>

基調講演(ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院教授、フィリップ・コトラー氏)
講演(富士フイルムホールディングス代表取締役会長兼CEO 古森 重隆氏、ネスレ日本代表取締役社長兼CEO 高岡 浩三氏)
パネルディスカッション(フィリップ・コトラー氏、高岡 浩三氏、モデレーター:IMD北東アジア代表 高津 尚志氏)

<ランチ休憩>

<午後プログラムレビュー>

講演(カリフォルニア大学ロサンゼルス校ビジネススクール教授 ドミニク・ハンセンズ氏)
パネリスト登壇(ワールドマーケティングサミットグループCEO サディア・キブリア氏)
パネリスト登壇(ネスレ日本株式会社 執行役員コーポレートアフェアーズ統括部長 嘉納未來氏)
パネルディスカッション 「CSV経営とマーケティング」(ドミニク・ハンセンズ氏、サディア・キブリア氏、嘉納未來氏、モデレーター:グロービス経営大学院教授 加治慶光氏)
講演(カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院 名誉教授 デービッド・アーカー氏)
講演 前半 後編(早稲田大学大学院 経営管理研究科教授 川上智子氏)
パネルディスカッション(フィリップ・コトラー氏、デービッド・アーカー氏、川上智子氏、リューベック大学 教授 マーク・オリバー・オプレスニク氏)

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