今こそ求められるダイバーシティ広報
 
 

秋を楽しむ最中でも、冬に向けて温かさが恋しくなるのは人の心も同じ。PRでは、多様性を尊重するための発想の転換、新たな視点の包摂、イノベーションを加速する世界の動きに注目が集まります。 2021年11月18日(木) 13:00~16:00 広報の学校「ダイバーシティ広報入門 」講座 を目前に、多様性の最前線をレポートします。

TOGETHERを訴えるグローバルの動き

今年、IABC(国際ビジネスコミュニケーター協会)戦略計画タスクフォースは、世界約200人を対象にした業界調査にもとづくトレンドを公開しました。約4割(39%)が「視聴者の細分化と変化の速さに伴い、新しいスキルや仕事のやり方が必要」と回答、新たな戦略および戦術の必要性が明らかになりました。9月20日~23日は、世界経済フォーラム(WEF)が国連総会と並行して、持続可能な開発インパクト・サミットをオンライン開催。こうしたグローバルの取り組みはいずれも、協調を訴える「Together」というメッセージを発信しました。

今回のインパクト・サミットのテーマは「公平で包摂的かつ持続可能なリカバリーをめざして」。1971年の設立当初より株主偏重から脱却する「ステークホルダー資本主義」を提唱するWEFは、2020年1月のステークホルダー資本主義メトリクス開始以来、年次報告書やサステナビリティ報告書などの主要報告資料に同基準に基づいた情報記載する企業が50社を超えたことを発表しました。

常識を変え禍から脱却するには、同じ志が束になることが必要です。同サミット内の「危機下における女性のリーダーシップ」セッションでは、ニューヨーク・タイムズのジェンダーエディター Francesca Donner氏が司会を務め、西インド諸島の小国アルバにて2017年に初の女性首相となりこのコロナ禍に2期目の政権を率いるEvelyna Christina Wever-Croes氏、電通インターナショナルのグローバルCEOであるWendy Clark氏、貧困や格差是正に取り組む国際NPO団体PactのPresident and CEO、Caroline Anstey氏がパネリストとして参加しました。

危機時のリーダーに求められるのは「共感力」が強い女性の指揮です。観光立国のアルバ首相Wever-Croes氏は、昨年3月からコロナ感染拡大に際して何か月も国境を封鎖した際、国レベルの施策における細かな調整と民間企業の協力が功を奏して国民が結束したこと。経済復興プランの運営委員を募集した際、構成員の75%が結果的に女性となったことなどを挙げ、女性の持つ力を阻止しないこと、引き上げることの重要性を示しました。さらにはコロナ禍の最中に現職に就いた電通Clark氏、PactのAnstey氏とともにテクノロジー活用および柔軟な施策によって細かな気配りを行きわたらせること、ジェンダーギャップを埋めるメディアやブランドの責任を全うし消費者パワーの高まりに応えること、などが議論されました。

2人のG20 EMPOWER日本共同代表

これに先立ち8月26日、G20では初めてとなる女性活躍担当大臣会合が開催。日本からは、丸川女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)がオンラインで参加。ジェンダー平等は、日本政府の重要かつ揺るぎない、確固たる方針であるという認識と、経済分野における意思決定層への女性参画拡大やその実現のための官民連携の重要性を述べました。その中で、中小企業への相談対応やアドバイス提供、コーポレートガバナンス・コード再改定による企業の登用目標設定、公共調達において女性活躍を推進する企業の受注増大に向けた取組などが触れられました。
関連:女性活躍担当大臣会合(2021年8月 イタリア サンタ・マルゲリータ・リグレ) | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)

開催を控えた8⽉20⽇、丸川担当⼤⾂は、女性のリーダーシップとエンパワーメントを加速するアライアンスG20 EMPOWER⽇本代表であるSAPジャパン⼈事戦略特別顧問のアキレス美知⼦氏ならびにカレイディスト代表取締役 塚原⽉⼦氏とオンラインで面会。G20 EMPOWERの活動内容報告とともに、今年作成された「ベストプラクティスプレイブック2021」についての説明、日本のアドボケート企業に対して独自で行ったジェンダーレンズサーベイの紹介を受けました。
関連: G20 EMPOWER(2021年・イタリア)) | 内閣府男女共同参画局

この英文407ページにわたるプレイブックは、23ヶ国から167の「意思決定層・経営層における女性の活躍」を加速する先進事例を掲載。日本からも経団連など12社・団体の取り組みを紹介しています。分析、戦略的かつ実践的な施策を、G20 EMPOWERナレッジパートナーであるボストンコンサルティンググループの分析とともに公開しています。
関連:https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_g20/pdf/empower_2021_03.pdf (英文)

本プレイブックについて特筆するべきは、企画段階から完成までわずか2人のG20 EMPOWER日本共同代表がリードしていること。国際舞台で日本がリーダーシップを発揮する活躍は、未来を創るPRの道しるべとなっています。

2021年11月18日(木) 13:00~16:00 広報の学校「ダイバーシティ広報入門 」講座 (締切日: 2021.11.12)

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