取材対応のPRノウハウ(上)

取材対応のPRノウハウ(上)
 
 

企業や組織における広報の主な仕事のひとつが「取材」。報道対応の場合は、受ける立場です。そこから生まれる記事は、組織の評判を左右するため、どう受けるかが重要です。3回に分けて、コツをお伝えします。

マスコミからの取材に備える

メディアの幅が広がり、取材の機会が増える今、企業の取材対応は報道の良し悪しを左右します。そのために「マスコミから取材依頼がある」という場合、大きな組織には広報部があり、教育を受けた 広報担当者 (インハウス広報 )が仕切ります。そして取材の話し手は、メディアトレーニングを受けて話し方を訓練するのが基本です。

しかし、起業したばかりでスタッフがいない、経営者が必要性を感じていないなどの理由で、多くの中小企業は広報担当者がいない、PR会社も使っていないのが事実です。

取材対応のスキルを上げるには、時間とお金の投資、そしてなにより経験が必要です。一足飛びには行きませんが、始めなければ経験値の蓄積もできません。そこで、実際に自分が広報担当者として取材依頼を受けた時に、 恐がらずにどう対応、回答したらよいか、初動を考えましょう。

まず「相手のこと」を理解する

広報担当者として自社の取材を申し込まれたら、 相手にその場で対応できることは対応し ます。そのために、会社の基礎情報は常時、答えられるように準備しておきましょう。別途判断や時間が必要な場合はその旨を伝えます。

そして、取材内容に応じて、社内の適切な人にスピーカーとして対応するよう依頼するのが鉄則です。ではなぜPR担当者が必要かというと、情報を集約し齟齬がないようにする、事実や表記を統一して企業や組織としてのブランドの一貫性をもたせるためです。

取材の依頼とひと言でいっても、依頼者が誰かで判断および対応は異なってきます。そのため、最終的にどの媒体や番組に、いつ、どのような企画・趣旨・体裁で記事になる想定か、を知る必要があります。

とはいえ、一本の電話やメールなどで飛んでくる取材依頼に、慣れていないにも関わらず短時間にすべてを把握、対応しようとしても無理があります。「わー、どうしたらいいの!」軽くパニックに陥りかねません。

そこでまず、相手の立場を知りましょう。どこの報道機関か固有名詞、立場、名前を確認します。どこの、どなたか、どうやって連絡を取れるか、の3つの「ど」を押さえましょう。相手を知ることで、敬意をもって相手にベストな形で対応できるようになります。

初動における3つの「ど」

この報道機関ですか(テレビ、新聞、雑誌、ネット、その他)

ちら様ですか(記者、フリーランス、制作会社勤務など立場と名前)

うやって連絡できますか(携帯電話、メールアドレス)

これは、電話であればものの数分で済む話です。とはいえ、無防備なときに一方的にかかってくる電話は、誰でも緊張するものです。そこで、報道機関による取材依頼の例を知っておくと、初めて接する人にでも驚かなくなります。

例えば、テレビであれば、「何時間以内に都内で撮影に応じられるか」を電話で打診など、直前かつ流動的な場合もあり、機敏な対応が必要です。うまく出られれば、大きなインパクトも期待できます。

新聞社は、大きなトレンドを描くために、業界を代表する会社か、特定の担当企業に取材します。ただし、際立った特長や事件も事故もない会社に取材依頼をすることはまれです。取材依頼の意図をよく理解しましょう。

雑誌では一般的に出版社が、企画に応じてまとまった企画書を作ります。取材から出版に時間がかかる分、成果物の質も期待できます。

ネット媒体の場合は、既存のコラムを前提とした取材依頼もあります。ただ、PR担当者とのやりとりを通して取材の企画が決まってくるような発展的な進め方もあります。

媒体取材依頼の例
テレビ直前かつ流動的な取材対応を求める、インパクトが期待できる
新聞業界を代表する会社、特長ある企業、事件や事故を取材
雑誌出版社が企画に応じて企画書を構成、時間がかかる分、質も期待できる
ネット既存コラム取材、編集とPRとのやりとり次第で企画も

なお、これらをメールだけでやりとりしようとすると、タイミングのずれや、認識のあいまいさなどから、無駄に時間と体力を消耗しかねません。

限られた時間の中でうまく取材対応するには、本音では恐くても電話が手っ取り早いです。普段なら「しつこいと思われる、迷惑になる」と気後れしがちな電話ですが、相手の声を聞き、取材の概要を理解し、人間関係を築きながら交渉する上で、大いに有効だからです。

また相手が電話に出られなかったらショートメッセージや伝言を残すなどして、なるべくリアルタイムに話すのがコツです。

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