2020年世界の詐欺件数は過去最高:Whoscallが「迷惑電話」調査

2020年世界の詐欺件数は過去最高:Whoscallが「迷惑電話」調査
 
 

「お荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました」とスマートフォンに舞い込むメッセージに覚えがなく、「え?」と混乱しながらよくよく見ると迷惑メールだった、という出来事がめずらしくない昨今。コロナとともに働く場所もコミュニケーションもオンラインに移行した、と思ったら、日常の隙をつく犯罪もデジタル化しています。全世界8000万ダウンロードに上る電話番号識別アプリ「Whoscall(フーズコール)」に、「世界の詐欺レポート2020」から見える傾向と対策を取材しました。

スマートフォンの申し子、福岡市実証実験フルサポート事業へ

2010年、台湾国立清華大学で生産工学を学んだ創業者 郭建甫(ジェフ・クオ)氏ら3人が、Google Playからサービス開始したWhoscall。去る2008年のリーマンショックとスマートフォン到来を受け「世界中の人と人の信頼につながるサービス」「安全・安心に暮らせる社会」を目指して起業しました。全世界16億件の電話番号を網羅する東アジア最大級のデータベースを持ち、各国の警察や金融庁などと協力しながら、不明な番号の識別・ブロックを支援します。

日本では福岡市にてGogolook社を昨年11月に登記。福岡市と福岡地域戦略推進協議会(FDC)による社会課題解決の「福岡市実証実験フルサポート事業」では、Gogolookの「迷惑電話・コロナ詐欺や誤情報の防止情報基盤構築/ Whoscall 実証実験」提案が採択され、公的に実施。これにより、オレオレ詐欺、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺被害の削減、迷惑電話ならびに虚偽情報拡散の防止のための取り組みを推進しました。

見落とされがちな海外コールバック詐欺、スミッシングの脅威

上記の実証実験発表時、Whoscallが注意喚起したのは、ニセ電話詐欺の増加、中でも海外詐欺番号による着信でした。昔と比べ通話利用の割合が減った今、一般に認識されていない脅威として、海外からの詐欺電話にかけ直すと高額の通話料が請求されることが確認されています。

そこで、2020年、日本を含む世界7カ国にて識別された、延べ65億件以上の未登録番号からの電話着信とメッセージ(SMS)を分析。これには、Whoscallが阻止した詐欺電話および詐欺SMS(メッセージ)2.8億件が含まれ、前年比190%増の過去最高を記録しました。そのうちSMS内にニセのリンクを挿入しアカウントID、パスワードなど個人情報を抜き取る「スミッシング」詐欺の増加率が80%を占めました。日本、米国、台湾などでは、冒頭のように宅配便を装った不在通知詐欺が最も多く見られました。

日本国内の詐欺受信件数は前年比178%、そのうち海外からの発信が25%と4件に1件を占めました。「+674(ナウル共和国)」や存在しない国番号からの着信による詐欺電話が急増。詐欺発生の時期としては、ゴールデンウイークや年末年始の大型連休前に増える傾向が見られました。時間帯は平日の勤務時間帯が多く、詐欺グループが企業や公共機関を偽って詐欺をしかける様子が見られます。

Whoscall 電話番号 識別画面、 増える国際電話詐欺 (真ん中)

詐欺グループは通信規制が緩い海外に拠点を置き、インターネット経由で発信するIP電話で番号を偽装して追跡を逃れながら、詐欺電話をかける」とWhoscallは説明します。通信犯罪の常套手段は、ネットワークと端末の普及によりぐっと参入障壁が下がり、詐欺の多発につながっているのです。

Googleの元CEO エリック・シュミット氏、台湾の総統 蔡英文(ツァイ・インウェン)氏などからの高い評価が知られるWhoscall。昨今の安易なスミッシング増加に対応し、世界に先駆けて日本でSMSアシスタント(iOS版)を昨年12月にリリースしました。データベースとAIにより詐欺番号を検出し、ハイパーリンクスキャン技術で不審なSMSおよび悪意あるリンクのフィルタリングを可能にしています。

Whoscall 共同創業者 郭建甫(ジェフ・クオ)氏

関連リンク:迷惑電話対策アプリWhoscall 「世界の詐欺レポート2020」を発表

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