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最初の取材から4年、マーケティングでより良い世界を

現代マーケティングの父、フィリップ・コトラー教授が「マーケティングでより良い世界を」という理念のもと地球規模で活動するワールド マーケティング サミット(WMS)。今年は「危機を乗り越えるためのアイデア」をテーマに、完全オンライン配信に切り替えたeWMSが実施されました。WMSのグローバルな広がりや多様性が、長時間にわたり細部まで伝わるのは、デジタルイベントならではの成果です。

初めてのWMS取材は今から4年前、2016年10月10日でした。 当時のわたしはまだまだ新米ママで途方にくれていた時期。PR会社のスキルを活かそうと、WMSアンバサダー江端 浩人氏の写真係を申し出ました。フィリップ・コトラー氏、サディア・キブリア氏、高岡 浩三氏らそうそうたる顔ぶれを撮影する貴重な機会に震えました。

登壇者 左からフィリップ・コトラー氏、高岡 浩三氏(2016年撮影)
前列 中央にサディア・キブリア氏(2016年撮影)
左 マーク・オリバー・オプレスニク氏、右 江端 浩人氏(2016年撮影)

今年のeWMSは90近いセッション、48時間以上のコンテンツとすさまじい熱量です。

コトラー氏は昨年、日本大会に来日し「今と同じビジネスを続けていたら、5年後の将来はない」と強く警鐘を鳴らしました。そして今年、あえて同じ言葉を繰り返した。「ビジネスは変わらなければ生き残れない」という強い警告が繰り返し発せられているのです。

フィリップ・コトラー氏

ワールドマーケティングサミットグループ CEOのサディア・キブリア氏は、昨年打ち出した「社会起業家精神(Socialprenuership)」を推進。Y世代(26歳~40歳)、Z世代(5~25歳)のミレニアル人口がベビーブーマー世代を抜いた点に着目。ブランドはこれまで以上に情緒的な信頼、環境配慮、社会的意義、そして多様性が求められていると指摘します。

こうした動きによって、消費者が不適切なブランドを廃業させ、巨大企業による環境や社会のための基金運営を推進させ、電気自動車や最先端技術の開発に拍車をかけている。「利益を上げるだけでは十分でない。社会を良くする社会的起業精神は、一人ひとりが持つべき」と訴えかけます。

サディア・キブリア氏

前ネスレ日本CEO 、ケイアンドカンパニー 代表取締役社長の高岡 浩三氏は、日本の過去30年を振り返り、「戦後のメインバンクシステム、人口増加、低賃金で品質の高い労働力に支えられた新興国モデルから脱却できなかった」と指摘。企業内の論理で頻繁にすげ変えられる社長人事によりプロ経営者が育っていない。100年に一度の産業革命、構造改革をやり遂げる土壌ができていない。21世紀型のマーケティングは社員全員が実践するのだ、と訴えます。

ネスレにおける「顧客が諦めている課題に焦点を定め、問題を先に解決するアプローチ(ニュー・リアリティ・プロブレム・ソリューション(NRPS)メソッド)」を示し、「パンデミックでデジタルトランスフォーメーション(DX)が何倍も早くなる」と期待を示しました。

高岡 浩三氏

運営者情報
共同ピーアール株式会社

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