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進め、広報と広告の舵取り

コロナ禍においても止まることない広報活動 。頻繁に 状況が変化し、コミュニケーションの必要性が高まる中、情報 ニーズは むしろ増えています。広報と広告という企業情報の両輪を回すうえで、いま大切なことを押さえましょう。

タイミングを間違えない

広告と広報、両方を実施する時に、誤ってはいけないのは順序です。記者会見、プレスリリースなどの広報発信は企業の公式発表。社内やあらゆるステークホルダーの調整、承認を経た情報として、報道価値を持ち、メディアに取り上げられ記事になります。

よって広告を出す場合は、この広報発表と同時ないしは後にしないと、報道価値を損ないます。これは企業コミュニケーションの基礎、一般常識ですが、海外からの指示など複雑なやりとりで広告出稿が進行している時に、うっかり見落とされていることがあります。そんな時は可及的速やかに、広告内容の調整もしくは広報発表の前倒しに入ります。

目指すところは同じ

折しも、日本マーケティング協会の【境治氏出版記念『嫌われモノの〈広告〉は再生するか』~健全化するネット広告、「量」から「質」への大転換 オンラインセミナーに参加しました。広告主、テレビ関係者が主な参加者で、本著をもとにしたディスカッションが展開されました。

境氏の指摘は、広告が嫌われているのではなく、広告の表示方法が問題。今のネット広告が小さなスマートフォン画面上で購買促進に走り、コンテンツと共存できなくなっている。そこで、「人の興味・関心に沿うコンテクスト(文脈、機微)を大事にした広告」、「ペルソナを理解した、良質なメディア作り」といった原点回帰を呼びかけました。

境氏は、独自性、自由度あるYouTubeチャンネルがデジタルマーケティングに有効という仮説を、自らのメディア酔談〜相澤冬樹&境治トークライブ〜チャンネルを例に紹介。 TV時代の冠番組の成功を参照し、 スポンサー一社提供による YouTube番組の可能性に期待を示しました。

PRパーソンとして極めて面白いのは、 このYouTubeチャンネルの成長が、「私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?」の共著者、相澤冬樹氏による週刊文春のスクープ報道、東京新聞による紹介(広報記事)といった、複合的なコミュニケーションの積み重ねの上に成り立っている点です。

人の心を動かす広告作りは、良心と情熱に基づく広報活動、報道と表裏一体です。とはいえテレビ、広告の議論で、情報統制をイメージさせる広報という言葉を使うことは、まずありません。また、広報の原語、Public Relationsの頭文字PRが、広告という意味で使われるシーンも数多くあります。このように、広報の定義が実践の上で古くなっていることはさて置いても、広告と広報は社会の情報網の中で密接に絡み合っています。

今こそ自分の立場、環境の中で何をどう発信すべきかだけではなく、それぞれがどう連携すべきかを、考えて行動する時でしょう。PR会社は広報を支えながら、社会の情報活用と信頼構築に貢献しています。

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