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ハーフさんに学ぶ「PRは経験が命」

いろいろなメディアでPRについて語る人が増え、「日本のPRも進化している」と嬉しくなります。

一方で、 広報、PRの仕事を一緒にするとなると、やや別の話。語ることと、実践経験を積むこととは、異なる器量が必要だからです。 1990年代のボスニア戦争という、世界規模の歴史的なPR実績を持つジム・ハーフ氏(Jim Harff, President and CEO of Global Communicators 以下、ハーフさん)の話には、そう確信する励ましがありました。

世界的、歴史的 PRヒーローとの出会い

PR業界では名高い『戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争』(高木 徹著、講談社文庫刊)の主人公、ハーフさんに会ったのは今から3年ほど前。2016年10月に都内で開かれた「「パブリックディプロマシー・サロン」ジム・ハーフ氏を囲んで」というイベントがきっかけでした。NHKの報道によって日本でも名がとどろいた、あのヒーローにあえる、とミーハー心で喜んで参加しました。

夜7時の赤坂。PRやパブリックアフェアーズ界隈のビジネスマンたちが続々と集まるなか、ハーフさんは目の前のスツールに座って、膝をつき合わせるほどの距離。世界舞台で活躍してきた百戦錬磨の年長者の話を目の前で聞けるのは、とても刺激的で興奮しました。

ハーフさんが広報戦略を駆使したボスニア戦争が、世界的ニュースだった時代、わたしはまさにニューヨークで国際関係を勉強する大学生でした。まだ英語になれていない留学生として、言葉の壁はもちろん、なかなか覚えられない地名、人名などの固有名詞、それに加えて複雑すぎる歴史に、もう毎日、頭はグチャグチャ。「なにが事実だろう」と一生懸命、情報を読み解こうとしていました。

なんとその報道の背後で戦っていたのが、このハーフさんでした。実際にお会いすると非常に静かな印象。その伏し目がちで控えめな行動、穏やかな語り口には、これこそ「同業者だからわかる」信頼のオーラが漂っています。そう、実力あるPRパーソンは、スピーカーと報道機関がいつでも 自由に動けるよう、自分がその邪魔にならないように、現場では強く自分を律しているものなのです。

「なるほど」の説得力は経験から

PR経験談を惜しみなく話すハーフさんに興奮したわたしは、どうしても話したくなって、質疑応答になったとたん挙手。「複雑な状況のなかで、どうやって自分が正しい広報判断をしていると確信を持てたのですか ?」とストレートに質問。通常は質問の冒頭に述べる「大変勉強になるお話、ありがとうございました」といった挨拶もうっかりすっとばすほど、緊張していました。

にもかかわらずハーフさんは、静かに「何年もかけて膨大な調査をし、チームで事実の洗い出しを続ける。その経験から、何をすべきか、広報判断に確信が持てるようになりますよ」と回答。わたしは「まさにそのとおりだ!」とひざを打つ思いでした。PRパーソンの経験は世界共通、時代を超えてユニバーサルな価値があるのです!

それからハーフさんが帰国しても、メールで交流。今回、このブログを書くことも快く承諾し、「ブログ立ち上げおめでとう」「書いてくれてうれしいよ」とiPhoneですぐにメッセージをくれました。

PRにおける実力をどうつけたらいいのか、悩む人も、心配しないでください。自分を信じて経験を積めば、どんなに苦しい時間や条件の制約の中でも、状況判断ができるようになります。そして、判断する「リスクを取る自信」がつきます。世界的なPR実践の権威が保証します(笑)!

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