親しき仲にはシャウトあり

親しき仲にはシャウトあり
 
 

IT企業で広報・マーケティングを8年、PR会社で企業支援を始めて14年目になります。かれこれ20年以上PRの仕事をしていて、好きなのは「とにかくアツい人」。こんな方を見ると心が躍ります。一方で「変わってください!」と残念な思いをするのは、社内のいろいろな意見を集約しきろうと頑張っているのか、結果として何も決めてくれない広報さん…。そして、お客様のブランドを預かっているにもかかわらずノラリクラリと動かないPR会社です。これを解決するのが、思いっきりシャウトすること。これおススメです!

何も決められないのは誰だ!

私がかつて担当したある外資系企業の広報さんは「決めることが苦手」なようでした。やはり誰でも、やったことがないことに挑戦する時は、決断を先延ばしにしたいものです。しかし、クライアントの最終承諾がなければ、PR会社は動けません。それではプレスリリースも、SNSのコンテンツも、作れません。そんな状況で私たちが動けずにいると、なんと私たちはある日、来日したアジア地域のPRマネージャーに、「共同ピーアールは何しているんだ!」と怒鳴られてしまいました。

なかでもショックだったのは、日々一緒に仕事をしていた広報さんが「私も共同ピーアールが悪いと思っている」と言ったことです。本社の上司の前ではそう言わざるを得ないのかな、ということはわかりますが、それでも仲間なのにあんまりだ……と裏切られた思いでグサグサ傷つきました。しかし瞬時に「ここで広報さんのメンツを潰してはいけない」「私がクライアントをリードできていなかったことが悪かったんだ」と考え直し、お詫びをして帰りました。

そこで、私がとった行動は「クライアントと本気で話し合うこと」でした。まさか感情的にならないように、事実を洗い出し、社内の国際チームにも入ってもらい、クライアントと本気で話をしました。「御社のブランドのために私たちは動きたい、止めているのは私たちではない、ぜひ御社内を動かしてくれ!」と。それから潮目が劇的に変わりました。なんと「共同PRチームが怒ることはしない」とまで言ってくれるようになりました。

この経験から学んだことがあります。大切なクライアントでも、いえ、大切なクライアントだからこそ、時には「NO」と言う必要があるのです。「できる?」と聞かれて、実現が難しいこと、やったら逆効果なことに「NO!」とシャウトするのは、とても大切なことです。そこから議論して前に進めるからです。

動かないPR会社は最悪だ!

そしてここだけの話、PRパーソン同士でも似たようなケースがあります。

共同ピーアールのクライアント支援は、チームを構成して動きます。なぜなら、PRの仕事は効率的に、タイムリーに運営する必要があるからです。PR企画、メディアとの折衝、報道発表、会見や取材の運営、記事モニタリング、報告書作成と多岐にわたる業務が、一定期間に集中するのです。このため、それぞれ別の専門知識を持った人間が多数必要になります。

ここで、一緒に仕事がしたことがない人同士は、実力や思考回路がわからないので、最初はお互い手探りです。しかし、いつも時間勝負のPRの仕事で、様子見で時間を失う余裕はなく、どこかで軋轢が生じます。その時に、衝突を恐れて動かないと、クライアントも私たち自身もストレスを抱えるだけでなく、アウトプット(成果)が出せません。

わたしも20代、30代のときは人と衝突するのが恐くて、組織の中で上手くやることを考えていました。が、今はそれよりもアウトプットを重視するようになり、態度が変わりました。社内でも、おかしいと思うことは言う。「なんでそうなの?」と叫ぶのです。すると相手も「いやそれは」と反論してきて、お互いに落としどころを見つけようとします。そして、短時間で濃密な話をして解決策を見つけます。そう、共同ピーアールはアツい会社なんですよ。皆さんも、おかしなことにはぜひ「NO!」とシャウトしましょうよ!

PRパーソンは、情報を取り扱う大切な仕事を担っています。情報を選べない、決められない、伝えられないようなPRパーソンには、それがお客様であれ、上司であれ同僚であれ、時にはおずおずと、時には怖がりながらでも、必ず「NO!」とシャウトしましょう。前に進むための衝突は、ポジティブなエネルギーを生みます、あなたシャウトをぜひ!

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